ストループテストについて
ストループテストは、色名の単語を別の色のインクで表示し、単語の意味を無視してインクの色を選んでもらうブラウザテストです。単語とインクが食い違うときに反応がどれだけ遅くなるか、つまりストループ干渉効果をミリ秒(ms)単位で表示します。
処理はすべてブラウザの中で行われ、記録はこの端末のブラウザストレージにのみ残ります。会員登録やサーバーへの送信はありません。
主な機能
- 3つの条件をランダムに混ぜる — 一致・不一致・中立(色単語ではない文字列)を3分の1ずつ入れ、同じ正解が続けて出ないように順序を組みます。
- 11言語の色単語 — 言語ページごとに、その言語の色単語(赤・RED・КРАСНЫЙ・أحمر など)を使います。すらすら読める言語でないと、干渉がきちんと現れないからです。
- 逆ストループモード — 課題を「単語の意味を選ぶ」に切り替えて、インクの色が単語の判断を妨げるかどうかを確かめられます。
- キーボードとボタン — 1・2・3・4 または D・F・J・K キー、画面のボタンのどちらでも回答できます。ボタンの順番は固定で、色だけに頼らず区別できるよう色名も添えています。
- 結果の分析 — 条件ごとの平均・中央値の反応時間と正答率、干渉効果(不一致 − 一致)、促進・抑制コスト、誤答率の差、試行ごとの散布図を表示します。
- 自分の記録 — 回ごとの結果と干渉効果の推移をこの端末に保存します。結果はテキストでコピーでき、同じ設定はリンクで共有できます。
使い方
- 課題(インクの色 / 単語の意味)、試行数(24・48・72回)、制限時間(2秒・3秒・なし)、練習の有無を選びます。
- スタートボタンかSpaceキーを押します。画面中央に + が少しのあいだ表示されたあと、単語が現れます。
- インクの色の課題では、文字の色に当たるボタンを押します。1 = 赤、2 = 緑、3 = 青、4 = 黄 で、D・F・J・K も同じ順番です。
- すばやく、でも正確に答えてください。間違えたり時間が過ぎたりすると短く表示され、次の試行に進みます。Escキーでいつでも中断できます。
- 終わると結果と散布図が表示され、記録が保存されます。
測定精度と限界
- 医学的な診断ではありません。 このテストは標準化された神経心理検査ではなく、注意力や実行機能に関するどのような状態も診断したり否定したりしません。
- 比較のための基準値がありません。 オンラインのボタン課題に合った公認の基準値がないため、「上位何%」のような比較は表示しません。同じ端末で測った自分の記録同士だけで比べてください。
- 端末の遅延 — キーボード・タッチ入力の遅延と画面のリフレッシュレート(60 Hzなら1フレーム16.7 ms)が、絶対的な反応時間に加わります。条件間の差である干渉効果は、この影響を受けにくくなっています。
- 色の表示 — 画面の色設定、ナイトモード・ブルーライトカットフィルター、色覚異常はインクの色の見分けに影響します。テスト中は画面のフィルターをオフにすることをおすすめします。
- タイミングの仕組み — 単語は画面の更新(requestAnimationFrame)に合わせて描画し、そのフレームから入力イベントまでを performance.now() の時計で測ります。200 msより速い回答は予測入力とみなし、分析から除外します。
よくある質問
ストループ干渉効果は何msなら正常ですか?
決まった「正常範囲」は示していません。干渉の大きさは回答方法(音声・ボタン)、端末の遅延、言語、試行数、練習の度合いによって大きく変わり、オンラインのボタン課題に合った公認の基準値もありません。同じ端末・同じ設定で測った自分の記録の推移を見てください。
干渉効果が0やマイナスになりました。
試行数が少ないと、偶然の変動でそうなることがあります。24回では条件ごとに8回しかないため、特にぶれやすくなります。48〜72回でもう一度測り、正答率もあわせて確認してください。母語ではない言語のページで行った場合は、干渉が小さく出るのが自然です。
中立条件の記号(〇・□・△・※)は何のためにあるのですか?
色単語の意味を持たない基準線です。中立と比べると、一致条件が反応を速める部分(促進 = 中立 − 一致)と、不一致が遅らせる部分(抑制コスト = 不一致 − 中立)を分けて見ることができます。逆ストループモードでは、色単語を無彩色のインクで表示したものが中立です。
キーボードとタッチでは、どちらが正確ですか?
一般に、有線キーボードのほうが遅延が短く安定しています。タッチスクリーンや無線キーボードは遅延が長くなることがあります。ただし遅延はすべての条件にほぼ同じように加わるため、干渉効果(差)は比較的安定しています。記録を比べるときは入力方法を変えないでください。
色覚異常があっても受けられますか?
ボタンには色名も表示していますが、インクの色の課題は文字の色を見て判断する必要があるため、赤緑色覚異常があると干渉とは関係なく遅くなったり誤答が増えたりすることがあります。単語の意味の課題(逆ストループ)は影響を受けにくくなります。このサイトは色覚検査ではありません。
なぜ言語によって単語が違うのですか?
ストループ干渉は、単語を思わず読んでしまうことで生じます。慣れていない言語の色単語は意味が自動的に浮かびにくく、干渉が小さくなります。そのため言語ページごとに、その言語の色単語を使っています。一覧は色単語のページにあります。
記録はどこに保存されますか?
このブラウザの localStorage にのみ保存され、サーバーには送信しません。「記録を削除」ボタンやブラウザのデータ削除で消すことができ、他の端末とは同期されません。
この結果でADHDや認知症がわかりますか?
いいえ。このテストは医学的な診断ツールではありません。臨床で使われるストループ検査は、標準的な手順と年齢・教育歴別の基準値、そして専門家による総合的な解釈を経て行われます。気になる症状がある場合は、医療の専門家に相談してください。
参考文献
Stroop, J. R. (1935). Studies of interference in serial verbal reactions. Journal of Experimental Psychology, 18(6), 643–662.
MacLeod, C. M. (1991). Half a century of research on the Stroop effect: An integrative review. Psychological Bulletin, 109(2), 163–203.
Cohen, J. D., Dunbar, K., & McClelland, J. L. (1990). On the control of automatic processes: A parallel distributed processing account of the Stroop effect. Psychological Review, 97(3), 332–361.
Durgin, F. H. (2000). The reverse Stroop effect. Psychonomic Bulletin & Review, 7(1), 121–125.
Hedge, C., Powell, G., & Sumner, P. (2018). The reliability paradox: Why robust cognitive tasks do not produce reliable individual differences. Behavior Research Methods, 50(3), 1166–1186.