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ストループテストの結果の読み方 — 干渉効果・正答率・散布図
結果画面の干渉効果、促進・抑制コスト、誤答率の差、平均と中央値、試行ごとの散布図の読み方と、測定精度の限界、何回測れば信頼できるのかを説明します。
テストが終わると、条件ごとの平均・中央値の反応時間、正答率、干渉効果、試行ごとの散布図が表示されます。それぞれの数字が何を意味し、どこまで信頼できるのかをまとめます。
どのように計算するのか
- 反応時間 — 単語が画面に描画されたフレームから、ボタン・キーの入力イベントまでの時間(ms)です。平均と中央値には正答した試行だけを使います。
- 除外ルール — 200 msより速い回答は、単語を見て判断する前に押した予測入力とみなし、反応時間と正答率の両方から除外します。時間切れは誤答として数え、反応時間からは除外します。刺激が出る前(+ の表示中)に押した入力は無視し、回数だけをお知らせします。
干渉効果 = 不一致の平均 − 一致の平均
促進 = 中立の平均 − 一致の平均 · 抑制コスト = 不一致の平均 − 中立の平均
干渉効果の読み方
値がプラスなら、不一致条件でその分だけ遅かったという意味です。ほとんどの人はプラスになります。0に近い、またはマイナスになった場合は、まず試行数が少なく偶然ぶれた可能性を考えてください。
このサイトは「上位何%」や年齢別の平均とは比較しません。オンラインのボタン課題に合った公認の基準値がなく、端末ごとに遅延が異なるため、他の人の数字とそのまま比べることはできないからです。比較は、同じ端末、同じ言語、同じ設定で測った自分の記録同士で行ってください。
正答率もあわせて見る
不一致での反応時間の差が小さくても誤答が多い場合は、速く押そうとして正確さを犠牲にしたのかもしれません(速さと正確さのトレードオフ)。結果画面の誤答率の差(不一致 − 一致)もあわせて見てください。反応時間と誤答率の両方で不一致が不利なら、干渉ははっきりしているといえます。
平均と中央値
1〜2回ぼんやりして押すのが遅れた試行があると、平均は大きくぶれます。中央値は、こうした外れ値の影響を受けにくい指標です。平均ベースと中央値ベースの干渉が大きく違うなら外れた試行があったサインなので、散布図で上のほうにぽつんと離れた点を探してみてください。
散布図の読み方
横軸は試行の順番、縦軸は反応時間です。○は一致、■は不一致、△は中立、×は誤答・時間切れ・予測入力で、点線は条件ごとの平均です。
- ■が○より全体的に上にある — 干渉があります。
- 前半の点が高く、後半にいくほど下がる — 課題に慣れていく練習効果です。練習8回をオンにすると小さくなります。
- 後半にいくほど上がったり散らばったりする — 疲れや集中力の低下を疑ってみてください。
- ×が集まっている区間 — ルールを混同したか、焦っていた区間です。
何回やれば信頼できるのか
24回の設定は条件あたり8回しかないため、値が大きくぶれます。条件ごとの正答試行が5回未満だと、結果画面に警告が表示されます。干渉のような2つの平均の差はそれぞれの平均よりノイズが大きく、ヘッジら(Hedge, Powell & Sumner, 2018)はストループ干渉の再検査信頼性が期待より低いと報告しています。48〜72回で何度か測り、推移を見るほうが、1回きりの数字より参考になります。
測定精度に影響するもの
- 入力装置 — 有線キーボードはふつう遅延が短く、無線・Bluetoothキーボードやタッチスクリーンではより長い遅延が加わることがあります。
- 画面のリフレッシュレート — 60 Hzの画面は16.7 msごとに1回描画されるため、単語が実際に見えたタイミングに1フレーム前後の誤差が生じます。
- ブラウザと端末の負荷 — 他のタブやアプリが重いと、イベントの処理が遅れることがあります。テスト中に別のタブに移ると、自動的に中断されます。
こうした遅延の大半はすべての条件に同じように加わるため、条件間の差である干渉効果は、絶対的な反応時間より影響を受けにくくなります。ただし端末を変えると絶対値が変わることがあるので、同じ端末で比べてください。
診断ではありません
このテストは標準化された神経心理検査ではなく、医学的・心理学的な診断を下すものではありません。結果は、楽しみと自己観察のためだけに使ってください。
参考文献
Hedge, C., Powell, G., & Sumner, P. (2018). The reliability paradox: Why robust cognitive tasks do not produce reliable individual differences. Behavior Research Methods, 50(3), 1166–1186.
MacLeod, C. M. (1991). Half a century of research on the Stroop effect: An integrative review. Psychological Bulletin, 109(2), 163–203.