ストループテスト

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ストループ効果とは — 1935年の原論文から今日のテストまで

色名を別の色のインクで書くと、インクの色を言うのが遅くなります。ストループの1935年の論文が何を測り、どんな結果を得たのか、コンピューター課題では何が違うのかをまとめます。

ストループ効果(Stroop effect)とは、単語の意味と文字の色が食い違うときに、色を答える反応が遅くなり、間違えやすくなる現象です。たとえば「青」という単語が赤いインクで書かれていると、「赤」と答えるべきなのに「青」が先に浮かんでしまい、答えが遅れます。

原論文:Stroop (1935)

この名前は、アメリカの心理学者ジョン・リドリー・ストループ(J. Ridley Stroop)に由来します。彼は1935年、Journal of Experimental Psychology 第18巻第6号に「Studies of interference in serial verbal reactions」を発表しました。参加者は100項目が印刷されたカードを渡され、項目をすべて声に出して読む、または色の名前を言うのにかかった合計時間を測られました。色は赤・青・緑・茶・紫の5色でした。

  • 実験1 — 色単語を食い違う色のインクで印刷したカードと、黒インクで印刷したカードを読む時間を比べました。平均43.30秒対41.00秒で、差はわずか2.3秒でした。インクの色は単語を読むことをほとんど妨げませんでした。
  • 実験2 — 食い違う色のインクで印刷された色単語のインクの色名を言う時間と、色を塗った四角の色名を言う時間を比べました。平均110.3秒対63.3秒で、47秒、約74%長くかかりました。この大きな差こそ、今日「ストループ効果」と呼ばれる干渉です。
  • 実験3 — 数日にわたって、食い違う単語の色名を言う練習をすると、干渉は小さくなりましたが、消えはしませんでした。

まとめると、単語は色名を言うことを大きく妨げますが、色は単語を読むことをほとんど妨げません。この非対称性が、ストループ効果を説明しようとする理論の出発点になりました。

コンピューター課題は何が違うのか

原論文はカード1枚を読み終えるまでの合計時間を測りましたが、今日の研究やこのサイトでは一度に1語を表示し、試行ごとに反応時間をミリ秒単位で測ります。そのため条件をランダムに混ぜることができ、誤答や時間切れを別々に数えられます。

  • 一致(congruent) — 単語とインクの色が同じです。例:「赤」を赤いインクで。
  • 不一致(incongruent) — 単語とインクの色が異なります。例:「赤」を青いインクで。
  • 中立(neutral) — 色単語ではない文字列や記号(XXXX、〇 など)を色付きのインクで表示します。

ストループ干渉効果は、ふつう不一致条件と一致条件の平均反応時間の差として計算します。中立条件もあわせて置くと、一致が反応を速める部分(促進)と、不一致が遅らせる部分(抑制コスト)を分けて見ることができます。

ストループ干渉(ms) = 不一致の平均反応時間 − 一致の平均反応時間

回答方法によって大きさが変わる

原実験では色名を声に出して答えていました。このサイトのようにボタンやキーで答える場合は色名を発声する段階がないため、干渉は音声回答より全体に小さく現れると報告されています(MacLeod, 1991)。それでも干渉そのものははっきり残る傾向があるため、キーボード課題も研究で広く使われています。

なぜ今も使われるのか

ストループ課題は、「やるべきこと」(色名を言う)と「ひとりでに起こること」(単語を読む)がぶつかる状況をとても簡単に作り出せます。そのため、注意・抑制・認知制御を研究する代表的な課題になりました。マクラウド(MacLeod, 1991)はレビュー論文で半世紀にわたって積み重なった数百本の研究を整理し、その後もストループ課題は神経心理検査や脳画像研究で形を変えながら使われ続けています。

参考文献

Stroop, J. R. (1935). Studies of interference in serial verbal reactions. Journal of Experimental Psychology, 18(6), 643–662.

MacLeod, C. M. (1991). Half a century of research on the Stroop effect: An integrative review. Psychological Bulletin, 109(2), 163–203.

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